スクワット動作における膝の剪断力・圧縮力 ― バイオメカニクスレビュー
Escamilla RF
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
スクワット動作中に膝関節へかかる剪断力・圧縮力・筋活動をバイオメカニクス研究の知見から整理したレビュー。後方剪断力は膝屈曲角度全域を通じて低〜中程度で後十字靭帯(PCL)が主に制動し、前方剪断力(前十字靭帯=ACLが関与)は屈曲0〜60°の浅い範囲でのみ生じる。一方、膝蓋大腿・脛骨大腿の圧縮力および脛骨大腿の剪断力は屈曲が深くなるほど増加し、最大屈曲付近でピークに達する。この圧縮力の増加を理由に、著者は健常な膝を持つアスリートにはディープスクワットよりパラレルスクワットを推奨し、半月板・十字靭帯・側副靭帯への傷害の可能性は深いスクワットで増加しうると結論づけている。
この研究で分かること
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後方剪断力は膝屈曲角度全域を通じて低〜中程度で、主に後十字靭帯(PCL)が制動する
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前方剪断力(前十字靭帯=ACLが関与)は0〜60°の浅い屈曲域でのみ生じ、深くしゃがむこと自体がACLへの負荷を増やすわけではない
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膝蓋大腿・脛骨大腿の圧縮力・剪断力は屈曲が深くなるほど増加し、最大屈曲付近でピークに達する(圧縮『力』の傾向。関節が受ける圧縮『応力』はラッピング効果により深部で分散しうる点は別研究=squat-depth-knee-load-reviewが指摘)
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この圧縮力の増加を理由に、健常な膝を持つアスリートにはディープスクワットよりパラレルスクワットを推奨している
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半月板・十字靭帯・側副靭帯への傷害の可能性は、深いスクワットで増加しうると結論づけている
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低いバー位置(ローバー)は膝の圧縮力を減らす傾向があり、膝の既往歴がある場合の選択肢になりうるとされる
関連する研究
スクワットの深さと膝・脊柱への負荷 ― 164文献のレビュー
Sports Medicine, 2013
164文献を統合し、スクワットの深さと膝・脊柱への負荷の関係を検証。健常膝・適切なフォームを前提とすれば、深いスクワットが傷害リスクを高める根拠はなく、むしろ超最大荷重を扱う浅いスクワットの方が長期的な変性を助長しうると論じている。
深い vs 浅いスクワットの筋肥大・筋力への効果 ― 12週RCT
European Journal of Applied Physiology, 2013
健常な若年男性17名を対象に、12週間の高負荷スクワットを深い(0–120°)群と浅い(0–60°)群で比較したRCT。深い群が大腿前面の筋肥大・膝伸展筋力・ジャンプ能力で優位を示した。
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