内因性ホルモンの生理的上昇はトレーニング適応を高めるか ― 片腕比較の11週間試験
Rønnestad BR, Nygaard H, Raastad T
研究はまだ限定的で、今後の検証が必要な段階
サマリー
同一人物の片腕を脚トレ後に(高ホルモン下で)、もう片腕を単独で11週鍛えたところ、脚トレ併用側の方が上腕二頭筋の1RM相対向上と最大CSA部位の肥大がやや大きかった。急性ホルモン仮説を支持する数少ない研究。
この研究で分かること
- 1
脚トレ併用(L+A)でテストステロン・GHが有意に上昇、単独(A)では変化なし
- 2
L+A側で肘屈筋1RMの相対的向上が優れ、二頭筋の最大CSA部位の肥大が優位だった
- 3
ただしn=9と極小で、効果は最大CSA部位に限定されるなど限定的
- 4
同型デザインのWest(2010)とは結論が逆方向で、外れ値の位置づけ
関連する研究
運動後の急性アナボリックホルモン上昇は筋肥大・筋力に必要か ― 片腕比較の15週間試験
Journal of Applied Physiology, 2010
同一人物の片腕をアーム単独(低ホルモン条件)、もう片腕を脚トレ併用(高ホルモン条件)で15週鍛えたが、筋横断面積の増加も筋力向上も両条件で差がなかった。若年男性の肘屈筋での結果。
運動後の急性ホルモン上昇と筋肥大・筋力の関係 ― 鍛錬者49名の12週間試験
Journal of Applied Physiology, 2016
レジスタンストレーニング経験のある若年男性49名で運動後の急性ホルモン上昇(テストステロン・GH・IGF-1・コルチゾール)を測定したが、いずれも筋量増加・筋力向上と有意な相関を示さなかった。急性ホルモンは適応の指標にならない。
この研究を扱った記事
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吉崎 槙吾
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「脚トレを飛ばすと上半身も大きくならない」「スクワットやデッドで出る成長ホルモンやテストステロンが全身を育てる」「脚は身体の土台だからフレームが作られない」——“脚トレ信仰”はジムで根強い。だが、脚を鍛えることが本当に上半身の成長のカギなのか。ホルモンと筋量の研究から、この信仰のどこが正しくてどこが誤りかを切り分ける。
吉村 浩嗣
最終確認: