Methodology
検証の方法
このサイトが出典について何を確かめていて、何を確かめていないかを公開しています。数字はビルドのたびに実測しています。
Two Layers
検証は2層ある
「出典つき」という言葉は、実際には2つの別々のことを指します。混ぜて語ると、確かめていない範囲まで確かめたように読まれます。
書誌の照合
機械が確定できる
DOI や PubMed ID から、その識別子が本当にその論文を指しているかを Crossref・PubMed に問い合わせて確かめます。筆頭著者・発表年・掲載誌が食い違えば検出できます。撤回・訂正の有無もここで確認します。ただし結果は照合した時点のもので、それ以降に出た撤回は次に照合し直すまで反映されません(照合日は各研究のページに出しています)。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗しますが、新しいビルドを行わない限り公開中の内容は更新されません。この照合は自動化してあり、通らないとサイトのビルドが失敗します。
内容の照合
抄録と1件ずつ突き合わせる
正しい論文を指していても、そこに書いた要約や「この研究で分かること」が、その論文の測定範囲を超えていることがあります。識別子の照合では検出できません。原著の抄録と記述を、被験者数・測定したアウトカム・研究デザイン・対象集団の項目ごとに突き合わせる必要があります。この突き合わせはAIが行っており、研究の妥当性そのものを専門的に評価するものではありません。
2026年7月の監査で見つかった誤りの多くは後者でした。DOI は正しいのに、その論文が測定していないアウトカムについて書いていた、というものです。識別子の照合だけを続けても、この種の誤りは永久に見つかりません。
Current Numbers
現在の数字
以下はすべてビルド時にデータから数えたものです。到達していない数字も同じ場所に出します。
- 書誌を照合した研究
- 168 / 168
- 100%
- 内容を照合した研究
- 99 / 168
- 59%
- 出典を紐づけたサプリ
- 0 / 90
- サプリはまだ出典を持てる構造になっていません
- 例外として登録した出典
- 4
- 理由は下に全件掲載しています
内容照合の内訳(何を確かめたか)
- 被験者数61 / 99
- 測定したアウトカム99 / 99
- 研究デザイン99 / 99
- 対象集団67 / 99
研究データ 168 件のうち 69 件は、まだ内容を照合していません。これらは書誌の照合だけが済んだ状態で公開しています。未照合であることは各研究のページにも表示しています。
そして正直に書いておきます。もともとあったレコードのうち、これまでに内容を照合した90件中67件で訂正が必要でした。 誤りの多くは「引用している論文は正しいが、そこに書いた内容がその論文の測定範囲を超えている」というものです。
この90件は無作為に選んだものではなく、記事からの被参照が多い順に確認しています。したがってこの割合が未照合の69件にそのまま当てはまるとは限りません——ただし、低く見積もる理由も今のところありません。なお内容照合済みにはこのほか、監査の過程で抄録から新規に書き起こしたレコードが9件あります。これらは訂正が不要で当然なので、上の割合には含めていません。
Badges
バッジの意味
- 抄録と突き合わせ済み
- 原著の抄録と突き合わせ、記述がその範囲に収まっていることを確認しています。何を確認したかは各ページの「検証の内訳」に列挙しています。この突き合わせはAIが行ったもので、専門的な妥当性の判断ではありません。
- 内容は未照合
- 書誌(著者・年・誌名)の照合は済んでいますが、記述と抄録の突き合わせはまだ行っていません。誤りがあるという意味ではなく、確かめていないという意味です。
サイトへの変更はすべて運営者のレビューを経て公開しています。ただしそのレビューは変更内容に対するもので、抄録を毎回読み直しているとは限りません。バッジが示すのは、AIによる突き合わせが行われたという事実です。
Retractions
撤回した研究データ
一次情報と照合できず取り下げたレコードです。何を主張していたかを、被験者数まで含めて残しています。訂正の履歴を残さなければ、検証しているという主張自体を検証できません。id は再利用しません。
クルクミン補給が運動誘発性炎症・DOSMに与える影響 ― メタ分析
curcumin-inflammation-exercise-meta
Yavari A, Javadi M, Mirmiran P, Bahadoran Z / Asian Journal of Sports Medicine / 2015 / n=857
記載していた Yavari et al. (2015) Asian J Sports Med の実体は『Exercise-Induced Oxidative Stress and Dietary Antioxidants』という抗酸化物質全般のナラティブレビューで、クルクミンのメタ分析ではない。sampleSize 857 も原著に存在しない。
HIITが筋肉量の保持・筋肥大に与える影響(メタ分析)
hiit-muscle-preservation-meta
Batacan RB Jr, et al. / British Journal of Sports Medicine / 2017 / n=872
記載していた Batacan et al. (2017) BJSM の実体は『Effects of high-intensity interval training on cardiometabolic health』で、評価対象はVO2max・血圧・血糖・脂質などの心代謝指標。筋肉量の保持は測定していない。
プライオメトリクストレーニングが筋パワー・スポーツパフォーマンスに与える効果(メタ分析)
plyometric-training-power-meta
Saez de Villarreal E, et al. / Journal of Strength and Conditioning Research / 2012 / n=1015
記載していた Saez de Villarreal et al. (2012) JSCR に該当する『筋パワーとスポーツパフォーマンス全般』のメタ分析が確認できない。同年同誌に実在するのはスプリント特化版(PMID 22240550)で、レコードの記述とは別物。
CoQ10サプリメントと心血管機能・エネルギー代謝への効果 ― メタ分析
coq10-mitochondria-energy-meta
Mantle D, Hargreaves IP, et al. / Nutrients (MDPI) / 2022 / n=2149
記載していた Mantle & Hargreaves (2022) の共著に、心血管機能・エネルギー代謝のメタ分析は確認できない。登録されていたDOIは Borymska (2022) のシリマリン研究を指していた。
撤回日:
Exceptions
例外として登録した出典
機械照合を通せない出典を、理由を明記したうえで例外に登録しています。例外は識別子と対象ファイルの両方が一致したときだけ適用され、何を例外にしたのかも記録します。使われなくなった例外はビルドが警告します。
doi:10.1519/jsc.0000000000002848
data/articles/resistance-bands-strength-truth.json
例外の対象: 撤回・訂正の扱い
撤回通知そのものを意図的に出典としている。原著(doi:10.1519/jsc.0000000000000971)が2018年に撤回されたことを読者が検証できるようにするため、原著とセットで並べている。本文でも撤回済みであることを明示済み。
doi:10.1038/sj.ejcn.1602899
data/studies/zma-testosterone-rct.json
例外の対象: 発表年の不一致
Koehler 2009 Eur J Clin Nutr 63(1):65-70。Crossref が返すのはオンライン先行公開の2007年で、冊子体の2009年とずれる。論文自体は一致している
doi:10.1519/jsc.0000000000000971
data/articles/resistance-bands-strength-truth.json
例外の対象: 撤回・訂正の扱い
Soria-Gila 2015。2018年に撤回された原著を、記事が『撤回された研究』として明示的に取り上げている。ラベルにも【2018年に撤回】と書いてある
doi:10.3109/09546631003801619
data/studies/glutathione-skin-pigmentation-rct.json
例外の対象: 発表年の不一致
Arjinpathana 2012 J Dermatolog Treat 23(2):97-102。Crossrefが返すのはオンライン先行公開の2010年で、冊子体の2012年とずれる。論文自体は一致している
収録している出典の一覧は 出典ページ