ターメリックとクルクミン:収録したレビューが吸収について述べていること
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ターメリックサプリって本当に効くの?クルクミンと何が違う?
収録しているのはナラティブレビュー1件(Hewlings & Kalman 2017)だけである。 同レビューは、クルクミンをそれ単体で摂っても関連する健康上の利益は得られないとし、理由を吸収の悪さ・速い代謝・速い排出によるバイオアベイラビリティの低さに帰している。バイオアベイラビリティを高める成分としてピペリン(黒コショウの主要な活性成分)を挙げ、複合体にしたときに2000%増加したと示されているとしている。ただしこれは同レビューが引いている報告で、元の試験を本記事は収録していないため用量・剤形・対象を示せない。
ターメリックとクルクミン
ターメリック(ウコン)はショウガ科の植物で、料理のスパイスとして使われる。Hewlings & Kalman(2017)はターメリックがポリフェノールであるクルクミンの主要な供給源であるとしている。 ターメリック粉末の成分組成を示せる出典を、本記事は収録していない。
吸収の低さ ─ レビューが挙げている理由
Hewlings & Kalman(2017)は、クルクミンをそれ単体で摂っても関連する健康上の利益は得られないとし、その理由をバイオアベイラビリティの低さに帰している。低さの主な原因として挙げているのは吸収の悪さ・速い代謝・速い排出の3つである。 同レビューが述べているのは「クルクミン単体」についてであり、収録している研究は食品としてのターメリックを評価していない。料理からの摂取量についても抄録に記載が無い。「料理では足りない」とも「足りる」とも、本記事は結論を出せない。
ピペリンとの組み合わせ ─ ここには出典がある
Hewlings & Kalman(2017)は、バイオアベイラビリティを高める成分がいくつかあるとし、その例として黒コショウの主要な活性成分であるピペリンを挙げている。 クルクミンと複合体にしたときにバイオアベイラビリティが2000%(約20倍)増加したと示されていると述べている。 ただし同論文はナラティブレビューであり、この数値は同レビューが引いている報告である。 本記事はその元の試験を収録していないため、用量・剤形・対象・測定方法を示せない。 ピペリンが吸収を高める機序についても、この組み合わせが製品市場でどの程度使われているかについても、本記事は出典を示せない。
- 2000%
- ピペリンとの複合体でのバイオアベイラビリティ増加(Hewlings 2017 が引く報告。元の試験は未収録)
用量と製品の選び方について言えること
研究で検証されているクルクミンの用量の目安を、本記事は示せない。 収録しているレビューの抄録に用量の記載は無い。 製品の選び方についても、本記事は出典を示せない。 クルクミン含有量の明示、ピペリンまたは同等の吸収補助成分、GMP認証などの製造品質——そのどれについても、検証した研究を収録していない。ピペリンについては上記のとおりレビューの記述があるが、それは「選び方の基準」として検証された結果ではない。 高用量や長期摂取の安全性についても、本記事は出典を示せない。 Hewlings & Kalman(2017)は、診断された疾患のない人でも比較的低用量で健康上の利点が得られうるとしているが、上限や長期の安全性を扱った記述は抄録に無い。 持病のある方や薬を服用中の方は、摂取の前に医師または薬剤師に相談すること。 なお、本記事の情報は教育・参考目的であり、医療上のアドバイスではありません。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文10件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 要約に書いていた「サプリを選ぶなら、クルクミン濃度とピペリン含有の有無が重要な判断基準になります」、第1節の「ターメリック粉末中のクルクミン含有量はわずか2〜5%にすぎない(Hewlings & Kalman, 2017)」「ターメリックを食材として使うことと、クルクミンを摂取することは同一ではありません」、第2節の「水に溶けにくい性質(疎水性)を持ち、腸から血中へ移行しにくいため、口から摂取してもそのまま排出されてしまうことが多い」「研究で示されているような抗炎症・抗酸化効果を期待するには、単純にターメリックを料理で多く使うだけでは不十分と考えられています」、第3節の「ピペリンは消化酵素の働きを一時的に抑えることで、クルクミンが腸から吸収される時間を延ばす作用があると考えられています」「この組み合わせは現在、クルクミンサプリの標準的なアプローチになっています」、第4節の「食材として日常的に使うことには問題はなく、食事の多様性・食物繊維・抗酸化物質の摂取という観点では有益でしょう」「研究で検証されている『クルクミンの治療的投与量』(一般的に500〜1000mg以上/日)を食材から得るのは現実的ではありません」、および製品の選び方として挙げていた「クルクミンサプリを選ぶ際の主なポイントは3つです。①クルクミン含有量が明示されているか(ターメリック粉末量ではなくクルクミン量)、②ピペリン(または同等の吸収補助成分)が含まれているか、③製造品質(GMP認証など)が確認できるか」——をすべて撤回した。収録しているのはナラティブレビュー1件(Hewlings & Kalman 2017)だけで、ターメリック粉末の成分組成も、疎水性という機序も、ピペリンが消化酵素を抑えるという機序も、製品市場の実態も、用量の目安も、抄録に記載が無い。同レビューが述べているのは「クルクミン単体」についてであり、食品としてのターメリックを評価していないため、「料理では足りない」とも「足りる」とも結論を出せない。ピペリンとの複合体で2000%増加したという数値は同レビューが引いている報告で、元の試験を収録していないため用量・剤形・対象・測定方法を示せない(以前の「最大2000%向上させる可能性」という表現も、レビューの記述に合わせて改めた)。なお、要約の「黒胡椒(ピペリン)との組み合わせでバイオアベイラビリティが大きく向上することが研究で示されています」は撤回していない。命題そのものは同レビューの記述として本文に残している。ただし「研究で示されています」という言い方は、元の試験を収録していないため「同レビューが引いている報告」という書き方に改めた。
撤回した原文10件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
サプリを選ぶなら、クルクミン濃度とピペリン含有の有無が重要な判断基準になります
重要なのは、ターメリック粉末中のクルクミン含有量はわずか2〜5%にすぎないという点です(Hewlings & Kalman, 2017)
つまりターメリックを食材として使うことと、クルクミンを摂取することは同一ではありません
水に溶けにくい性質(疎水性)を持ち、腸から血中へ移行しにくいため、口から摂取してもそのまま排出されてしまうことが多いのです
このため、研究で示されているような抗炎症・抗酸化効果を期待するには、単純にターメリックを料理で多く使うだけでは不十分と考えられています
ピペリンは消化酵素の働きを一時的に抑えることで、クルクミンが腸から吸収される時間を延ばす作用があると考えられています
この組み合わせは現在、クルクミンサプリの標準的なアプローチになっています
食材として日常的に使うことには問題はなく、食事の多様性・食物繊維・抗酸化物質の摂取という観点では有益でしょう
ただし、研究で検証されている「クルクミンの治療的投与量」(一般的に500〜1000mg以上/日)を食材から得るのは現実的ではありません
クルクミンサプリを選ぶ際の主なポイントは3つです。①クルクミン含有量が明示されているか(ターメリック粉末量ではなくクルクミン量)、②ピペリン(または同等の吸収補助成分)が含まれているか、③製造品質(GMP認証など)が確認できるか
関連する研究
出典
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次に読む
- 解説
クルクミンは筋肉痛に効くのか? メタ分析が示せる範囲と吸収の問題
10件のRCTを統合したメタ分析(Beba 2022)では、クルクミン補給により筋肉痛(VAS −0.56)・血中CK(−65.98 IU/L)・TNF-α(−0.22 pg/ml)が低下し、最大随意収縮(+3.10)と関節可動域(+6.49°)が改善した。一方、IL-6 と IL-8 には有意な変化が認められていない。 用量反応解析では TNF-α について非線形の関連が示されており、増やせば比例して効くという関係ではない。著者らは「DOMSのいくつかの側面を改善しうる」という留保つきの結論に留め、長期的な影響と安全性にはより質の高い研究が必要としている。 吸収については、Hewlings & Kalman(2017)がクルクミン単体では利益が得られないとし、ピペリンとの複合体でバイオアベイラビリティが2000%増加したという報告を引いている。 NF-κB の機序、バイオアベイラビリティ約1%という数値、リポソーム型などの製剤、NSAIDsとの副作用の比較については、いずれも出典を示せない。 なお収録している抗酸化のレビュー(Yavari 2015)は、サプリメントではなく天然の抗酸化物質が豊富な食事を勧めている。
吉崎 槙吾
- 解説
クレアチンは脳にも効くのか? 記憶力・認知機能との関係を研究で確認する
クレアチンは筋肉だけでなく脳のエネルギー代謝にも関わっており、研究では特に睡眠不足の状態や、食事からのクレアチン摂取が少ないベジタリアンで、記憶力・処理速度など一部の認知課題のスコアに改善が報告されている。収録している Avgerinos ら(2018)が報告しているのは、若年者では認知課題の成績が変化しなかったことと、多くの認知領域で結果が一致しなかったことである。
吉村 浩嗣
- 解説
ホエイプロテインについて、収録した出典が言える範囲
収録している出典が示すのは次の2点である。Castro ら(2019)のメタ分析(8件・246名)では、ホエイプロテインの補給が脂肪量の減少では有意な効果を示した一方(加重平均差 −0.96、95%CI −1.37〜−0.55、p<0.001)、除脂肪量についてはどのシナリオでも有意な効果が無かった(p>0.05)。 国際スポーツ栄養学会のポジションスタンド(Jäger ら 2017)は、1回あたりの一般的な推奨として体重1kgあたり0.25g、または絶対量として20〜40gを挙げ、1日あたりでは1.4〜2.0 g/kgが多くの運動者に十分だとしている。
吉村 浩嗣